こんにちは、イスラム教徒の女性と結婚して自身もイスラム教徒になったぷっかです。日本で宗教と聞くと制限が増えるといったイメージや、その宗教独自のルールがあるというイメージがある人が多いと思います。
私自身も普段から、イスラム教のルールや「ハラール」「ハラーム」について聞かれることが多いです。ということで今回は、イスラム教におけるルール・やらなければいけないことについて解説します。
イスラム教における義務、やらないといけないこととは?
知っている人もいるかもしれませんが、イスラム教には「5つの柱(Five pillars)」と呼ばれるものがあります。
これはイスラム教徒としてやるべきこと、とされており、イスラム教における義務というとこれが当てはまると思います。
実際は信仰度合いによって変わることもありますが、基本的に全てのイスラム教徒がやっていること、と考えてもらえば大丈夫です。
その5つの柱について、簡単にまとめたものがこちらです。
- 信行告白(シャハーダ):イスラム教信仰を告白すること
- 毎日5回の礼拝(サラート):1日5回のお祈りをすること
- 喜捨(ザカート):自分の財産からある一定の割合を寄附すること
- 断食(ラマダン):約1年に1回(約1ヶ月)の断食を行うこと
- 巡回(ハッジ):一生に一度、メッカのカーバ神殿へ巡礼
一つ一つについて、もう少し詳しく解説します。
信行告白(シャハーダ)
一つ目は「信行告白(シャハーダ)」です。これは何をするのかというと「アッラーのほかに神はいない。ムハンマドはアッラーの使徒である」ということを証言します。
イスラム教の法典である「コーラン」はアラビア語で書かれているため、実際にはアラビア語を口に出して出して言うことになります。
イスラム教に入信する際は、最低2人のムスリムの前でこれを証言する事になります。
毎日5回の礼拝(サラート)
続いては「毎日5回の礼拝(サラート)」です。ムスリムは1日に5回、メッカの方向にお祈りをします。礼拝は夜明け前・昼・午後の終わり・日没直後・夜半の時間などある程度決まった時間に行う必要があります。
夜明けや日没の時間は住んでいる地域によって異なるため、住む場所によって礼拝をする時間も違います。また、礼拝といってもただ祈るだけではなく、決まった手順があるのでそれに従ってお祈りをする事になります。
ただし、病気の時や飛行機に乗っている時など、いつでもその時間に礼拝ができるとは限りません。そのため、次の礼拝でまとめて行ったり、普段とは違う方法で礼拝をしたり、結構臨機応変な対応が可能となっています。
喜捨(ザカート)
続いて紹介するのは「喜捨(ザカート)」です。喜捨は、その漢字からも少し予想できるかもしれませんが、「財産の一部を、困窮者などに与えること」を意味しています。簡単に言うと寄付をするイメージです。
サウジアラビアなどのイスラム系国では、喜捨税として企業からお金が徴収され、そのお金でイスラム諸国の災害支援や他者支援が行われています。
日本のようにイスラム系国でない場合は、特定の団体を通じて喜捨をすることができますが、金額は決まっていませんし、もちろん自分の生活を切り詰めるほど支払う必要はありません。
断食(ラマダン)
続いては「断食(ラマダン)」です。これは結構知っている人も多いのではないでしょうか?その名の通り、断食を行います。期間は約1ヶ月で、約1年に1回行われます(太陽暦に従うため、厳密には1年に1回ではありません)。
友人に「断食を約1ヶ月する」と言うと、「え?そんなに食べなくて大丈夫なの?」と聞かれますが、1ヶ月間何も食べないわけではありません(笑)
断食を行う期間は日の出から日没まで、簡単に言うと太陽が出ている時間帯は何も食べたり飲んだりしてはいけません。
実際にやってみるとこれは結構キツイです…。太陽が沈んでいる期間にある程度食べるので、食べ物は何とか耐えられるんですが、水分を我慢するのが大変です…。
巡礼(ハッジ)
最後に紹介するのは「巡礼(ハッジ)」です。一生に一度、体力や精神的・経済的に可能な人は、サウジアラビアにあるメッカのカアバ神殿に巡礼することが求められています。
毎年200万人以上のムスリムがハッジに参加するとされています。私たち夫婦もまだ行けてないですが、若いうちに行きたいな〜と思っています。
イスラム教徒は他にも義務・やらないといけないことがある?
人に優しくするなど、やったほうがいいことは無数にありますが、先ほど説明した5つの柱以外に、イスラム教徒としての義務はありません。
イスラム教は厳しい宗教というイメージはある人もいると思いますが(私もそうでした笑)、実際はそこまで厳しい宗教というわけではありません。
「コーラン」に書かれていることだけをそのまま実践するだけではなく、自分の考え方・自分の置かれた状況などを総合して、それぞれの生活をしている人がほとんどです。
逆にイスラム教徒がやってはいけないことは?
ここまで、イスラム教徒における義務を簡単に紹介していきました。では、逆にやってはいけないことやタブーはあるのでしょうか?
結論から言うと、あります!
イスラム教におけるタブー・禁止行為はイスラム用語で「ハラーム(英語:Haram)」と呼ばれます。ハラールフードでよく使われている「ハラール(英語:Halal)」は、逆の意味を持ち、イスラム教徒にとって許されたものという言葉です。
「ハラーム」にあたる行為や食べ物はたくさんありますが、今回は以下のように、印象的なものをいくつか紹介します。
- 偶像崇拝(像や絵画を信仰の対象にすること)
- 女性が人前で肌を見せる
- 利子を取る
- 自殺すること
- 豚肉・お酒を摂取すること
この他にも、イスラム教徒としてやってはいけないことはたくさんあります。盗みや詐欺など、一般的に悪いとされていることは、イスラム教でも同様に悪いこととされています。
↓より詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください!
最後に!
今回はイスラム教におけるルール・義務などについて解説してきました。イスラム教についてもっと詳しく知りたい人は、ぜひ他の記事も読んでみてください!
では、また。